「は」を見たら注意!

こんにちは、語学マイスター あぢゃんです(*^_^*)

今回も、英語と日本語の違いについて考えてみたいと思います。日
本語から英語という、非常に異なった言語に頭を切り換えるには、
両方の言語の違いを意識することが、特に大人にとっては助けにな
ります。

つまり、前回も申しましたが日本語を理解することで英語力が向上
するのです!これはお得ですね。

前回の「日英の違い」は、「主語」についてでしたが、今回はそれに
関連して、「は」についてです。

よく、「主語」で「は」と「が」とどっちを使うか、日本人には自明な
のに外国人には説明できない、ということを言う人がいます。

私はあぢゃんです。
私があぢゃんです。

この違いを説明できますか?難しいですねー。

実は、この違いはとても深い問題なのであぢゃんの手に負えるよう
なものではありません(でも頑張ってみます)。

あぢゃんはこう考えています。日本語では、自分の話をするとき、
自分が文章を書くときに、「自分の居場所」を明示する必要がある
のです。

この、自分の居場所とは、文字通り空間的な「場所」の他に「時間
的場所」、「意味的場所」も含んでいます。

上の文章、ちょっと変化させてみましょう。

私はブログライターです。
私がブログライターです。

前の例と同じく、「は」で書くと自然で、「が」で書くと「自己主張」
しているように感じますね。しかし、この説明として短絡的に
「が」をつかうと「ブログライターなのは私です」と、「私」を強調す
る意味になる、というような説明は正しくないと思います。その証拠
に、

このブログでは、私がブログライターです。

ぐっと自然になりませんか?自己主張の意味にもとれますが、さっ
きよりずっとナチュラルですね。

「は」で場所を提示してやると、文が自然になるのです。
さっきの例で自己主張っぽく感じたのは、「は」がなくて、場所の提
示がないので、「私が」が主役になってしまったためだと思います。

場所の提示は時間的なもの、意味的なものでもOKです。

今日は、私がブログライターです。
ある意味では、私がブログライターです。

さて、「は」は「主語※」を表すほかに「目的語※」も表します。

料理のレシピでは、
・にんじんは、皮をむき、乱切りにする。
なんていう文が載ってます(今適当に書きました。何の料理でしょ
うか)

上の表現は、日本語の特徴をとてもよく表しています。

レシピのような文章では、
「動作の主体が明らかでない(だれでもいい)」
「簡潔に表現するため、『材料名』を文頭で一度だけ提示したい」

という要求があります。具体的に言うと、

動作の主体をわざわざ明示すると
「あなたは、にんじんの皮をむいてください、そして乱切りにしてく
ださい」
くどいです。しかもくどいだけでなく、重大な問題があります。

ここで、「~してください」というのは依頼で、「あなた」に対して
言っているのは自明だから「あなたは」を省略すればいい、という
鋭い人もいるでしょう。ところが、

にんじんの皮をむき、乱切りにしてください。

これでは、にんじんの皮を乱切りにする人が出るかもしれませ
ん(^^)
そんなバカな、という人は、下の例ではどうでしょうか?

いわしの背骨を取り、衣を付けて油でかりっと揚げてください。

骨を揚げるのか、身を揚げるのか全然分かりません。

いわしは、背骨を取り、衣を付けて油でかりっと揚げて下さい。

「は」で居場所を明確にすることによって、文の意味がしっかりし
ます。

この場合、「いわしは」は「主語」にはなりません。取るのも「背骨」
なので「目的語」ともちょっと違いますね。でも日本語としてはすっ
きりしています。

先ほどのにんじんの例を英語にする場合、普通は「受け身」にしま
す。

A carrot is pared and chopped.
pare:ナイフで皮をむく   chop:乱切りにする

これは、「動作の主体を隠す」「材料名を文頭で一度だけ提示」を
満たしています。

日本語では
動作の主体は「言わなければ隠せる」
材料名は「居場所(主題)として『は』をつけて文頭で提示」
でしたが、

英語では
動作の主体は「受け身にして隠す」
材料名は「受け身の文の主語にして文頭に持ってくる」
とします。

なぜレシピの話をしているかというと、化学やバイオの実験で手順
を示すときもレシピ形式で書くからです。
いつの間にか役立つ話に(^^)

逆に、レシピや論文の実験項を日本語に訳すときは、受け身文の
主語を日本語では「は」で提示して、受け身文を能動態(受け身でな
い文)に直して書けば日本語らしくすっきりします。

最後に例を出して終わりにしたいと思います。

The mixture was incubated at 50℃ and stirred overnight.
その混合物は、50℃に加温し、一晩攪拌した。

The solvent was evaporated under reduced pressure.
溶媒は、減圧下で蒸発させた。

日本語をしっかり理解することで英語力が向上する、こんなお得な
ことはありませんよね!

次回以降も乞うご期待!

※「主語」:日本語には主語はないという説もあり、それなりに説得力
があるので、あぢゃんは「学校で習うような主語」の意味で「主語」と
書いています。「目的語」も同様です。英語のような目的語とは違うの
で、あえて「目的語」と書いています。
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by azhan | 2004-10-30 11:39 | 日本語
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